タロット「星」が復縁占いで出たとき — 長い夜空にだけ灯る、静かな希望
タロットで「星」のカードが復縁を願って出た。塔の崩壊のあとに来る、夜空にひとつだけ大きく灯る星のカード。78 枚の中で最も静かな希望を運ぶ一枚ですが、本当に告げているのは「すぐに叶う成就」ではなく、長い時間軸の中で、あなたの内側の水瓶から少しずつ希望を注ぎ続けるための、夜の合図です。星のカードが復縁占いで意味するもの、正位置と逆位置の本当の読み方、月・死神・塔・太陽との五枚比較、そして長い夜にできる三つの儀式までを、星詠みの視座で綴ります。

夜が長くて、眠れない指でタロットを切ったあなたの前に、深い夜空にひとつだけ大きく灯る星と、水辺で水を注ぐ裸の女性の絵が現れました。
星。
大アルカナ第 17 番。78 枚の中で、もっとも静かな希望を運ぶカード。塔の稲妻が落ちたあとの夜空に、ぽつんと灯るあの一枚です。「タロット 星 復縁」と検索エンジンに打ち込んで、ここに辿り着いたあなたの胸のうちには、たぶん、希望と疲れが、半分ずつ同居しています。
「これって、戻れるってこと? それとも、ただ慰めているだけ?」
その問いに、占いサイトの多くは「希望」「願いの成就」「長期的な吉」と答えます。けれど、その短い言葉では、すでに長い夜を歩き続けてきたあなたには、たぶん、まだ何かが足りない。
この記事は、そのあなたのために書かれています。星のカードが復縁占いで出たとき、それが本当に告げていることを、星詠みの言葉で丁寧に読み解きます。月の霧・死神の霜・塔の稲妻、そして太陽の朝日のあとに、ようやく星を引いたあなたの夜のために、空にひとつだけ、青く澄んだ光を、置いておきます。
星のカードは、復縁の即座の成就を告げているのではありません。星が告げているのは、『長い夜空のずっと向こうに、消えずに灯り続けている、ひとつの光がある』ということ。その光は派手ではなく、急がず、ただ、あなたの歩く方角を、夜のあいだじゅう照らし続けます。

「星」のカードが復縁テーマで出る本当の意味
絵柄を、もう一度見てください。
深い夜の空に、大きな星がひとつ、まっすぐ輝いています。その周りに、七つの小さな星が、星座のように散らばっている。地上では、裸の女性が片膝を地面に、もう片方の足を水面につけて、両手にひとつずつ水瓶を持っている。右手の水瓶からは大地に、左手の水瓶からは水辺の池に、ゆるやかに水が注がれています。背景には小さな木が立ち、その梢には鳥が一羽止まっている。
このカードを「ただ希望のカード」だと思って通り過ぎる人が多いのですが、絵柄をよく見れば、すでに別のヒントが描き込まれています。女性は、裸です。これは太陽のカードの子供と同じく、駆け引きや鎧を持たない状態。そして女性は、水瓶を傾け続けています。一回ではなく、ずっと。さらに、空には大きな星と一緒に、七つの小さな星が描かれています。これは「ひとつの願い」だけではない、「複数の小さな希望の灯」を意味すると読まれます。
これが、星のカードの本質です。
復縁テーマで星が出たとき、このカードはこう告げています。
あなたの中にはまだ、消えていない水瓶がふたつあります。長い夜のあいだ、それを少しずつ注ぎ続けてください。空のどこかに、消えていない星が、ひとつ、確かにあります。
これは、すぐに叶う約束にも、遠回しの慰めにも聞こえるかもしれません。けれど、よく聴いてみてください。「あなたの願いはすぐに叶います」と言っているのではありません。
あなたが手放さずに持っている『希望そのもの』は、夜空にちゃんと届いている、と言っています。
たとえば、別れたあと、誰にも言えないまま「それでも信じている」と心の中だけで呟いていたなら、星のカードはその呟きを聞いています。たとえば、SNS をひそかに見ては閉じる夜が続いているなら、星のカードはその指の動きを見ています。たとえば、もう諦めようとしては、なぜか諦めきれないでいるなら、星のカードはその往復を、夜空からずっと、見守っています。
星のカードは、その光を、あなた自身の上にではなく、
あなたが歩いていく方角の、ずっと先の地平線の上に置きに来ました。
星を引いて、ぼんやりと胸が温かくなっているあなたへ、最初に伝えたいのはこのことです。星は、復縁の即時成就を告げに来たのではない。長い夜のあいだ、あなたが歩く方角の先に、消えない光が確かにあると、教えに来た。
その光に向かってどう歩くかは、これからの夜のあなたが、ゆっくり、決めていく。
正位置 ― 静かな希望と、長い時間軸の癒やし
正位置の星は、よく「希望」「成就」「願いの叶い」と訳されます。復縁テーマでは、もう一段深く読む必要があります。
正位置の星が告げているのは、「あなたの願いは消えていない。ただし、その願いは、星のように長い時間軸で、ゆっくり叶っていく傾向がある」 ということです。叶うか叶わないか、いつ叶うかは、星のカード一枚では断定できません。
星のカードの女性は、急いでいません。水瓶を一気に空けてしまうのではなく、ゆっくり、傾けて、流し続けている。これは、「長い夜を諦めずに歩くための姿勢」の象徴です。一晩で答えを出さない。一週間で結論を急がない。一ヶ月で見限らない。星の光は、そんな短い時間の中では、まだ届ききらないことが多い。
正位置の星は、あなたに、長い夜を歩く力を授けてきます。
これは、「ただ気長に待ちましょう」という意味ではありません。
毎日少しずつ、自分の水瓶から希望を注ぎ続ける『継続のしなやかさ』を取り戻す、ということ。一気に何かを成し遂げる強さではなく、
夜空の星のように、消えずに灯り続ける弱火の強さです。
こんなとき、星は正位置で出やすい
- 塔の崩壊のあと、まだ完全には立ち直れていないけれど、息はできるようになった
- 相手のことを、毎日ではなく、週に何度かだけ思い出すようになった
- 諦めようとしては、なぜか心の隅に小さな灯が残り続けている
- 別れの理由を、責める気持ちなしに振り返れる夜が、増えてきた
- 『すぐに戻れなくても、長く待てる気がする』と、ふと思える瞬間がある
これらに当てはまる人へ。星の正位置は 「もうすぐ確定の連絡が来ます」 と言っているのではありません。「あなたが灯し続けている小さな灯は、夜空のどこかにきちんと届いているから、急がなくていい」 と言っています。
星の正位置と『時間』の関係
正位置の星が出たあと、関係が動き出すまでに年単位で幅があることが多い、というのが星詠みの経験則です。月・死神・塔・太陽のどのカードよりも、時間の幅が大きく、個人差も非常に大きい。数ヶ月で動く人もいれば、長い時間がかかる人もいて、ときには動き出す前に別の道が開ける人もいます。
ここで、もっとも大切なお願いを書きます。
星のカードは『待つこと』を強要するカードではありません。年齢のこと、結婚や家族のタイムリミット、仕事や住む場所の節目 — あなたの人生には、待つこと自体が大きなコストになる事情が、いくつもあるはずです。星のカードは、その事情を無視して「とにかく待て」と命じる権利を持っていません。
だから、こう読んでください。
待ちながら、別の選択肢を同時に開いておくことは、星のカードと矛盾しません。新しい出会いの可能性、自分のキャリアや住まいや暮らしを進める選択、別の希望を育てる時間 — そのどれを開いておいても、星の光は、夜空の同じ位置で灯り続けます。星は「あなたの人生を止めて、自分だけを見続けてほしい」とは、一言も言っていません。
最短で動く可能性も、最長まで動かない可能性も、外れることがあります。星のカード一枚では、未来は決まりません。
これは「望み薄」という意味ではありません。星のカードは、
短い時間軸では届ききらない種類の光を運んでくることが多いカード、というだけのこと。塔のカードが「稲妻一発で景色を変える」のだとすれば、星のカードは「毎晩同じ位置で灯り続けることで、ゆっくり方角を教える」。動き方の周波数が、まったく違う。
月のカードが「霧」、死神のカードが「霜」、塔のカードが「稲妻」、太陽のカードが「朝日」、そして星のカードは「夜空にだけ見える光」。霧は時間で晴れ、霜は時間で溶け、稲妻は一瞬で景色を変え、朝日は確実に毎朝昇りますが、
星だけは、夜のあいだじゅう、じっと、同じ位置で灯り続けます。動かない光が、いちばん遠くまで届く、ということがあります。
「 」星の光は、あなたを試しに来たのではない。あなたが諦めずに歩く長い夜の、ずっと先の方角を、消えずに照らすために、夜空の同じ位置に、毎晩、灯り続けてくれている。

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逆位置 ― 希望を見失う、焦り、長い夜の疲れ
逆位置の星は、占いサイトで「失望」「希望喪失」「願いの遠ざかり」と訳されることが多い。これは半分正しく、半分浅い読みです。
復縁テーマで逆位置の星が出たとき、もう少し精密な読みが必要です。
逆位置の星は、次の三つのパターンを示します。
パターン 1: あなたが、希望を見失いかけている
夜空には星がまだ灯っているのに、あなたが夜空を見上げる力を、一時的に失っている状態。
- 『どうせ無理だ』と、自分に何度も言い聞かせる夜が増えた
- 占いを引きすぎて、もう何が出ても信じられなくなっている
- 周りの『もう忘れなよ』という声に、静かに同意したふりをしている
- 相手の SNS を見るのをやめたのは、解放ではなく、見るのが怖くなったから
- 『希望を持つこと』そのものが、疲れてきた
これらは、星の逆位置のサインです。
逆位置の星は、あなたを責めていません。「長い夜を歩くのは、本当に疲れるから、夜空を見上げない夜があってもいい」 と言っています。ただ、
夜空を見上げないあいだも、星の方は、消えずに灯っています。今夜は見上げなくていい。明日も、明後日も、見上げなくていい。けれど、ある夜ふと窓を開けたとき、星はまだ同じ位置にあります。それを、忘れないでください。
重要
逆位置の星は、『希望を持つことに疲れた夜が、人生にはある』というサインです。希望のスイッチを、無理に入れ直す必要はありません。けれど、自分の中の水瓶を、完全に伏せて置かないでください。底に少しだけ水が残っているだけでも、いつか、また、注ぎ始められます。
パターン 2: 長期戦の疲れが、出ている
逆位置の星は、「長く待ちすぎて、待つこと自体が苦しくなっている」状態を示すことがあります。
- 『いつまで待てばいいのだろう』という問いが、毎日頭に浮かぶ
- 時間が経っても、状況が動いている実感がない
- 友人の幸せを見るのが、以前よりつらくなってきた
- 自分の年齢や時間軸への焦りが、少しずつ大きくなっている
- 『もう次に進むべきだ』と頭ではわかっているのに、心が動かない
これは、星のカードの長い時間軸そのものに、あなたが消耗しはじめているサインです。
このとき、星のカードは「もっと頑張れ」とは言いません。
待つこと自体が目的にならないように、と教えています。星のカードは、あなたの人生のリズムや節目より優先される存在ではありません。待つことと、待ちながらも自分の人生の他の部分を生きていくことは、両立する — むしろ、両立させていいのです。星を見上げる夜と、星を忘れて自分の毎日に集中する昼。この両方を、同じ生活の中に同居させていく。星の光は、二十四時間ずっと見上げ続ける必要のある光ではありません。夜の中で、ふと窓を開けた瞬間に、確かにそこにある光です。
そして、もし「待つこと」自体があなたの人生のコストとして大きくなりすぎているなら、別の選択肢を同時に開いておくことを、ためらわないでください。それは、星のカードへの裏切りではありません。
パターン 3: 「希望そのもの」と「現実」を、ひとつに重ねてしまっている
これは少数のケースですが、占術上、確かに存在します。
逆位置の星は、「あなたの内側で灯している希望の光が強すぎて、現実の輪郭がぼやけている」 ことを示すことがあります。たとえば、「いつか必ず戻れる」と心の中で繰り返すあまり、相手が新しい関係に進んでいることや、もう連絡を望んでいない可能性を、見ないふりしている。たとえば、星のカードを「これは戻れる確定のサインだ」と読み替えて、現実の小さな違和感を消去してしまう。
希望の光を、現実の証拠と取り違える
『信じれば必ず』という気持ちが強くなりすぎて、現状の細部が見えなくなる夜がある
占いの結果を、希望の証拠として集めてしまう
同じ問いを何度も引き直して、星が出るまで止められなくなっている
相手の沈黙を、希望のサインに上書きしてしまう
返事がないこと、動きがないことを、毎回別の意味で塗り直し続けている
これは、星の光ではなく、
あなた自身が灯している『願いの星』が、現実の星座と重なって見えている状態です。逆位置の星は、その二つの光を、いったん別々に置いてみてください、と言っています。
恐れないでください。これは「諦めなさい」という意味ではありません。本物の星は、あなたが願いの光を分離したあとも、変わらず夜空の同じ位置に灯っています。願いの星と、本物の星を、無理に重ねないでおく。それが、逆位置の星がそっと差し出す、誠実さです。
逆位置の星は、希望を否定しているのではありません。長い夜を歩き続けるあなたの中の水瓶が、少しだけ空きかけているだけ。今夜は、注ぐのを休んでもいい。けれど、水瓶そのものを、完全に伏せて、地面に置いてしまわないでください。底に少し残った水が、明日のあなたの夜を、また始められます。
月・死神・塔・太陽・星 ― 復縁占いの『五つの天気』をどう読み分けるか

復縁テーマで出やすい大アルカナの中でも、月・死神・塔・太陽・星の五枚は、似ているようで、まったく違う天気を運んできます。
月: 答えはまだ凍っている。動かないでください。
死神: 凍っていたものが、ようやく溶け始めている。古い形は、もう戻りません。
塔: 溶けて流れた先の地面に、稲妻が落ちました。前提そのものが、組み変わります。
太陽: 稲妻のあとの空に、ようやく朝日が差し始めました。光は、嘘を許しません。
星: 朝日が沈んだあとの夜空に、消えない光が灯り続けています。希望は、長い時間の中で、ゆっくり形になっていきます。
月のカード (タロット「月」が復縁占いで出たとき) は、待つためのカード。
死神のカード (タロット「死神」が復縁占いで出たとき) は、手放すためのカード。
塔のカード (タロット「塔」が復縁占いで出たとき) は、組み立て直すためのカード。
太陽のカード (タロット「太陽」が復縁占いで出たとき) は、裸で立ち直すためのカード。
そして星のカードは、長い夜を歩き続けるためのカードです。
時間軸で並べるなら、月 → 死神 → 塔 → 太陽 → 星 の順に、二人を取り巻く「天気」が動いていきます。月は霧、死神は霜、塔は稲妻、太陽は朝日、
星は夜空に灯る、消えない光。
ここで大切なのは、星のカードは
太陽のあとに来るということ。太陽の朝日を一度浴びてから、再び来る夜のために、星は夜空に灯ります。つまり、星のカードを引いた人は、もうすでに、塔の崩壊と太陽の覚醒を経験している可能性が高い。長い旅の途中で、いま、夜空を見上げている。
もしあなたが、これまで月や死神や塔を引いてきて、ようやく太陽の朝が見え、そして今夜、星を引いたなら — それは、夜と朝を通り抜けてきたあなたへの、長い旅の真ん中の、慰めの灯です。怖がらないでください。この順番は、占術的には深い進行です。
夜のカードを通らずに、いきなり星を引いた人は、星の光を「すぐ叶う約束」として受け取ってしまいやすい。月・死神・塔・太陽を経てきたあなたは、星の光を、
急がない希望として受け止める準備が、もう少しできているかもしれません。
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「星」が告げる『希望』は、必ずしも復縁の保証ではない
ここで、誠実に書きたいことがあります。
星のカードを「希望のカード」「願いの成就」と訳す占い師は多く、確かに、星は強い祝福を持っています。けれど、
星の光は、復縁を保証する道具ではないということを、忘れないでください。
星が告げる希望は、次の三つのうちのいずれかを照らします。
- 二人の関係性の、長い時間軸での再生 — 同じ二人で、年単位の長い夜を経て、もう一度ゆっくり再会していく未来
- あなた一人の、夜空への信頼の回復 — あの人なしで、自分の人生のどこかに小さな星を灯し直しながら、生きていく未来
- 「希望すること」そのものの、再定義 — 別の誰かと、あるいは別の何かと、長い時間軸で願う術を取り戻していく未来
このどれが起こるかは、星のカード一枚では決まりません。今後のあなたの選択と、相手の選択と、二人を取り巻く時間の流れの全部が、まだ書かれていない。
星は、選択を強要しません。ただ、夜空のひとつの位置に、消えない光をともして、長い夜のあなたの方角を、ずっと、照らしているだけ。あとに残されたあなたが、その光に向かってどう歩くかは、これからの夜のあなた自身が、ゆっくりと、決めていく。
星を引いた夜の、三つの小さな儀式
星のカードを引いた夜、たいていの人は、不思議な穏やかさと一緒に、長い疲れを感じます。「諦めずにいてよかった」という静かな安堵と、「でも、まだ続くのか」という長期戦への重さが、同居している。これは、心が「長い夜の希望」を受け止めようとするときに起こる、ごく自然な反応です。
その夜にできる、三つの小さな儀式があります。占術的にもまっとうで、心理的にも整います。よければ、試してみてください。
窓を開けて、夜空を一度だけ見上げる
星が見えなくても構いません。夜空のある方角に顔を向けて、一度だけ、深く息を吸う。それが今夜の星への返事になる
水を、ふたつのグラスに分ける
ひとつのグラスは『あの人のために』、もうひとつは『自分のために』。両方に少しずつ水を注いで、テーブルに並べる
長く愛されたい願いを、一行だけ書く
復縁したい、ではなく、長く愛されたい、と書く。長く愛したい、でもいい。一行だけ、新しい紙に
儀式 1: 「窓を開けて、夜空を一度だけ見上げる」
部屋の窓を開けてください。ベランダがあるなら、ベランダに出る。夜風が冷たければ、上着を一枚羽織ってからで構いません。
そして、夜空を、一度だけ見上げてください。星が見えても、見えなくても、どちらでも構いません。曇っていても、雨でも構いません。夜空がある方角に顔を向けたという事実が、ここでは大切です。
「夜空のどこかに、消えない光があるのだと、覚えておきます」
それだけ。一回だけ。何度も繰り返さない。
これは「願いを叶える」ための儀式ではありません。夜空という存在を、自分の生活の中に、再び招き入れるための儀式です。夜空を見上げない夜が長く続くと、心の中の「希望のための場所」が、少しずつ縮んでいきます。窓を開けるだけで、その場所は、また少し広がります。
儀式 2: 「水を、ふたつのグラスに分ける」
これは月のカードや太陽のカードのときの儀式とは、少し違います。星のカードでは、水をふたつのグラスに分けて、テーブルに並べてください。
ひとつのグラスは、あの人のため。もうひとつのグラスは、自分のため。
両方に、少しずつ、水を注ぎます。星のカードの絵柄を思い出してください。
女性は、大地と水辺の両方に、水を注いでいます。片方ではなく、両方に。これは、希望の水を、相手にだけ注ぎ続けない、という意味です。
自分のグラスにも、必ず、注ぐ。
そして、自分のグラスの水だけ、飲んでください。あの人のグラスの水は、そのまま、しばらくテーブルに置いておきます。翌朝、捨てて構いません。捨てるときは、
今夜の希望を夜空に返しますと心の中でつぶやいてください。
これは、相手のために水を注ぐことを、やめなさいという意味ではありません。自分のグラスにも同じ量の水を注ぐ習慣を、取り戻すための儀式です。星のカードの女性は、自分の水瓶を空にしません。両方に少しずつ注ぎながら、ずっと、注ぎ続けられる。
儀式 3: 「長く愛されたい願いを、一行だけ書く」
新しい紙、もしくはノートに、一行だけ書きます。
「復縁したい」ではなく、「長く愛されたい」と書く。
あるいは、「長く愛したい」でも構いません。あるいは、「長い夜のあいだ、消えない希望を持っていたい」でも構いません。あなたの言葉で、
もっと長い時間軸の願いを、一行だけ。
書き終わったら、その紙を二つに折って、本に挟むか、引き出しの奥に入れてください。読み返さなくていい。何ヶ月か、何年か経って、ふと開いたときに、そこに残っていれば、それで十分です。
星のカードの光は、即時の願いには応えにくい光です。ゆっくり熟成された願いの方が、
夜空の星のひとつになりやすい。一行を書いた瞬間、その願いはあなたの中で、少しだけ、形を持ちます。あなたが見上げなくても、紙の中で静かに残ります。
三つの儀式は、復縁を呼ぶための魔法ではありません。長い夜を歩き続けるあなたの中の水瓶を、ゆっくり、再充填するための、ただの夜の整え方です。整えなければ、長い夜を歩く力が、心の中で続かない。

それでも、今夜こそ答えがほしい、と思うあなたへ
ここまで読んで、それでも、心の底では「長い時間軸ではなく、今夜のうちに、戻れるかどうかだけを知りたい」と思っているなら — それも、あっていい感情です。
星のカードは、その願いを否定していません。ただ、星の光は、今夜だけの問いには答えきらないと、静かに告げているだけ。
問い
「今夜のうちに、戻れるかどうかを断定してほしい」 → これは、星のもとでは応えられません。「戻れるかどうかは決まらなくても、今夜、消えない希望をひとつだけ持って眠りたい」 → これは、星のもとで、もっとも応援される願いです。
この二つの願いは、似ているようで、まったく違うものです。前者は
短い時間軸への執着で、後者は
長い時間軸への信頼です。星のカードは、後者の願いを、夜空のひとつの位置に、灯し続けようとします。
そして、もしあなたがいま、自分自身の夜の中に、まだ消えない小さな光を抱えていて、「私はこの光を、これからどう扱えばいいのだろう」と問いたい夜なら — タロットだけでなく、自分自身の希望の位置を別の角度から照らしてみる方法もあります。
「星」を引いた夜は、即答ではなく、長い灯です
最後に、星詠みからひとつだけ。
タロットを引いて、星が出て、希望と疲れが半分ずつ同居しながらここまで読んでくれたあなたへ。
星を引ける人は、すでに半分、長い夜を歩く準備ができています。
短い時間軸でしか考えられない人は、星を引きません。希望そのものを完全に手放してしまった人も、星を引きません。今夜、あなたがこのカードを引いたのは、あなた自身の中で、何かが消えずに灯り続けているから。占術というのは、自分の内側で起こっている動きを、外側の象徴として見せてくる仕組みです。
星は、あなたを訪ねてきた預言者ではなく、あなたの中で消えずに灯り続けているものの、ただの鏡でした。
重要
星を引いた夜は、復縁の即答が出た夜ではなく、長い夜を歩く灯がともった夜です。今夜あなたが感じている穏やかさは、すぐに戻れる確証ではなく、長い時間軸の中で消えない自分の光、その確かな存在の手応えです。
その鏡を見たあなたが、これからどう歩くかは、もう、夜空も星も、決めません。あなたが、決めます。
霧の月のカードのあと、霜の死神のカードのあと、稲妻の塔のカードのあと、朝日の太陽のカードのあと、ようやく夜空の星のカードを引いたあなた。怖がらないでください。順番として、これは、あなたが正しく長い夜を歩こうとしているサインです。
今夜は、窓を開けて夜空を一度だけ見上げて、ふたつのグラスに水を注いで、長く愛されたい願いを一行だけ書いたら — もう、ゆっくり、眠ってください。
夜は、まだ、続きます。けれど、夜空のあのひとつの位置に、星は確かに灯っています。あなたが見上げない夜も、見上げる夜も、関係なく、同じ強さで、同じ方角に。
夜空を見上げる前に、いまのあなたが立っている水辺を、星詠みの四つの問いで一度確かめてみてください。タロットの一枚では届かない、もう一つの星の位置が、そこに置かれています。
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この記事は、占術と心理学と詩の三つを混ぜながら、あなたの夜のためだけに綴られました。月・死神・塔・太陽のカードについての姉妹編はこちら: タロット「月」が復縁占いで出たとき / タロット「死神」が復縁占いで出たとき / タロット「塔」が復縁占いで出たとき / タロット「太陽」が復縁占いで出たとき
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